高松盆栽の歴史
- 名だたる職人を輩出し、数々の名品を生み出してきた高松盆栽。その歴史と魅力に迫ります。
- Wick Canvas 編集部
- 更新日:2022/8/22
- 投稿日:2022/8/22
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高松は日本有数の松盆栽の産地であり、国内出荷量の大きなシェアを占め、盆栽の競技会でも多くの実績を誇ります。これまで数多くの名品を輩出してきました。国内では埼玉の大宮盆栽と並び、盆栽の聖地として広く評価されています。高松が盆栽の聖地と呼ばれるようになった背景には、いくつかの要因があります。まずはその歴史を振り返りましょう。
目次
- 高松盆栽の始まり
- 江戸時代に始まった鬼無の盆栽
- 錦松盆栽、発祥の地・国分寺
- 戦後の復興とともに全国屈指の産地へ
- 盆栽に適した環境
- 近年のブランド化と全国展開
- 国内有数の松盆栽産地から世界へ
- 高松盆栽の歴史まとめ
高松盆栽の始まり
高松盆栽の歴史は約200年前、江戸時代・文化年間(1804〜1818年)頃にさかのぼります。近くに自生していた樹を鉢に植えて販売したのが起源とされています。ただし、本格的な盆栽生産は明治期以降のことです。高松盆栽を支える鬼無地区と国分寺地区がいかにして高松盆栽を確立したのでしょうか。
江戸時代に始まった鬼無の盆栽
高松市鬼無町の顕彰碑によると、鬼無町の盆栽は江戸時代・文化年間に始まりました。山野に自生していた松を掘り起こして鉢植えに仕立てたものを、金刀比羅宮への参拝者が土産として買い求めたことがきっかけとされています。
盆栽栽培の発展は、接ぎ木の名人・高橋周輔の登場によります。高橋は技術を広く伝授し、同時期に北山太作は松柏の苗木を育てて大きな成果を上げました。
高橋に学んだ職人がリンゴの苗をアメリカから輸入して山林や畑に植えると、果樹苗木の生産技術が近隣農家に広まり、後の盆栽生産に活かされるようになりました。明治20年(1887年)頃には、鬼無地区や佐藤地区の職人たちが山採りの松を盆栽に仕立てることを始めました。
錦松盆栽、発祥の地・国分寺
一方、国分寺町では山林苗木や緑化木を生産していた末澤喜市が、仲間10人余りと共に鬼無町の職人を招いて講習会を開催。盆栽生産技術を習得するとともに、自らも盆栽生産を始めました。
明治25年(1892年)頃、末澤のもとに山採りの素性の良い錦松が持ち込まれ、末澤はこれを高値で買い取り培養しました。遺伝性の原則から、優れた錦松の穂木を接ぎ木すれば良質な錦松が多く生まれると着目し、接ぎ木の工夫に熱中しました。
明治27年(1894年)についに接ぎ木に成功し、大量生産が可能となりました。それまでの黒松作りから接ぎ木錦松を取り入れた盆栽作りへと大きく変革しました。
以降、鬼無町と国分寺町での樹木生産は盆栽を中心に行われるようになりました。明治末期には針金による整枝技術が開発され、大正中期には捻幹技術が生まれるなど、技術革新が続きました。また五葉松の生産も始まり、品種の多様化が進みました。
明治末期に開発された針金による整枝技術、大正中期の捻幹技術など、革新的な技法が鬼無町で次々と生まれました。五葉松の導入も加わり、高松盆栽の技術基盤はさらに強固なものとなりました。
戦後の復興とともに全国屈指の産地へ
鬼無町と国分寺町では技術の普及とともに盆栽生産が拡大しました。しかし第二次世界大戦で生産は一時途絶え、盆栽畑の松は薪として使われました。戦後、わずかに残った松の接ぎ木によって盆栽は復活し、経済成長とともに需要が急拡大しました。
盆栽に適した環境

花崗岩系の砂壌土で水はけが良く、雨が少なく日照時間が長い瀬戸内海沿岸の気候が、他産地にはない風格ある盆栽の生産を可能にしました。
長年培われた剪定・接ぎ木の技術を伝承・改良し続け、全国屈指の松盆栽産地として成長を遂げました。 水はけの良い土地で育った香川県の松盆栽は、美しい樹形はもちろん、「根腐れしにくく傷まない」と高い評価を得ています。
近年のブランド化と全国展開
全国的な盆栽ブームが続いた1970〜80年代、高松盆栽は知る人ぞ知る産地でした。高松で作られた多くの盆栽は整枝前の素材として全国の盆栽園に出荷されていたため、「高松盆栽」の名が表に出ることは少なかったのです。2000年代に入り、生産者・販売事業者・行政が一体となって全国へのPRを強化。瀬戸内国際芸術祭の盛り上がりも追い風となり、盆栽を芸術として高松の魅力を発信しています。
国内有数の松盆栽産地から世界へ
高松盆栽が世界から注目される大きなきっかけとなったのが、高松市で2011年に開催された「第11回アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC)」です。日本初の開催となり、アジア・欧米など40以上の国々から盆栽ファンが集結しました。また2014年の高松盆栽大会にも世界各国から多くの愛好家が訪れ、盆栽の聖地としての知名度を確かなものにしました。
今では国内有数の松盆栽産地として世界的な知名度も高まり、アジア・欧米諸国からのバイヤーが絶えず訪れています。
高松盆栽の歴史まとめ
高松の歴史は日本の盆栽の歴史と言っても過言ではないほど、職人や生産者たちの苦労と努力が積み重なっています。高松を訪れると、国分寺・鬼無地区の畑に植わった盆栽の風景を目にすることができます。数多くの盆栽園が点在し、職人たちが今も日々研鑽を重ねています。
- 高松は松盆栽の国内有数の産地として知られる
- 始まりは約200年前の江戸時代
- 国分寺地域・鬼無地域で発展
- 戦後の経済成長とともに盆栽生産量も拡大
- 松の生育に適した瀬戸内の気候
- 高松盆栽のブランドは全国へ、そして世界へ
高松盆栽の歴史を知ることで、高松がより身近に感じられたでしょうか。香川県の見どころはうどんや瀬戸内芸術祭が有名ですが、盆栽観光も選択肢に加えて、香川の旅をぜひお楽しみください。









