盆栽づくりキットで初めての盆栽体験レポート
- 盆栽づくりキットで初めての職人体験。黒松の若木に曲がりをつけて盆栽に仕上げる体験をレポートします。
- Wick Canvas 編集部
- 更新日:2022/8/25
- 投稿日:2022/8/25
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自分でも盆栽を作ってみたくて「盆栽づくりキット」に挑戦しました。盆栽歴は2年ほどですが、出来上がった盆栽を購入して育てていた程度で、まだ初心者の域を脱していない愛好家です。もみじと五葉松の小さいものを所有していますが、もみじは3代目で前の2鉢は管理が至らず枯らしてしまいました。2年前に初めて手にしたもみじをエアコンの室外機の近くに置いてしまい、数時間でカラカラになったのはいい経験です。
そんな私ですが、この2年で多少は成長したはずと思い、盆栽を作ってみたいという衝動に駆られてチャレンジしましたので、その結果をご報告します。
目次
- 盆栽を「作る」ということ
- 盆栽はこうやって作られている
- 今回作る樹種と形
- 作るのに必要な道具
- 作りたい木をイメージする
- 針金を巻きつける
- 曲がりをつけて化粧をする
- 作ってみた感想
盆栽を「作る」ということ
盆栽の3大楽しみ方は「育てる」「鑑賞する」「作る」とのこと。私自身は2年間育ててきたし、盆栽展示会にも足を運び、インテリアとして盆栽を取り入れて楽しんできました。「育てる」「鑑賞する」がこれまでのメインの楽しみ方です。
まだ体験していない「作る」楽しみ。でも「作る」とはどういうことだろう?そんな疑問から調べてみると、盆栽を作ることは奥が深く、素人には難しい部分もあることが分かりました。ただ、間口も広く気軽に楽しめる部分もあります。詳しくは下記をご参照ください。知れば知るほど、ますます作りたくなりました。
盆栽はこうやって作られている
樹齢数百年の盆栽が数百万円でテレビに紹介されたりして、なぜそんなに高いのかと思っていましたが、作られる過程を知ると納得。これほどのことをしていたのかと驚きます。
ただ年を重ねているだけではないんですね。簡単に説明すると、盆栽は長い年月をかけて剪定や整枝(針金かけ)を繰り返しながら樹形を作り上げているんです。
針金も木の成長や枝の増加に合わせて掛けたり外したりを何度も繰り返します。欲しい位置に枝を出すために剪定で全体の成長をコントロールしたり、ときには枝の移植のような作業を施したりします。
自然界の風情ある樹木を小さな鉢の中に表現するには、こうした積み重ねが必要なんですね。生きた芸術品と呼ばれる所以がよく分かりました。
長い年月をかけて作るからこそ、長く続けられる趣味ですね。ここまでできるか不安はありますが、まずはとっかかりの部分から体験です。
今回作る樹種と形
樹齢数十年の立派な盆栽でなくても、若い木がひょろりと曲がっているだけでも和の趣を感じます。自然界の木は風雪にさらされて幹が曲がっていくそうですが、私たちが思い浮かべる日本の風景の樹木は確かにまっすぐではないような気がします。水墨画や掛け軸に描かれる木も曲がりくねっていますよね。
今回作る盆栽は黒松です。3年生の若木の幹に曲がりをつけていきます。盆栽づくりは初めてなので、まず1本は教科書通りに。もう1本は何か新しい発想の作品を目指して、規定とフリーのような感じで挑戦してみます。
作るのに必要な道具
盆栽づくりキットに含まれていたものと、追加で用意したものがありました。あると便利だと思ったものも合わせてご紹介します。
黒松の苗木2本、針金2種類(2mmと1.5mm)、鉢底網、陶器鉢2個、盆栽の土、割り箸、カラータイ
以上がキットの付属品です。
ハサミとペンチは別途用意しました。室内作業のため新聞紙と園芸トレー、雑巾も準備。自分のイメージに合う陶器鉢も個別に用意しました。付属の鉢も悪くないのですが、定番の盆栽鉢という印象だったので、ここは個性を出してこだわってみることに。
付属の鉢です。定番の手作り山野草鉢と伝統的な太鼓型の鉢でした。
現代風のモダンな鉢と、なんと岩への植え込みにも挑戦してみます。
作りたい木をイメージする
切り立つ岩山に生える松の木。雨や風に打たれながらも懸命に生きるその生命力に、言葉にならない感動を覚えます。そんな盆栽を作ってみたい!イメージとしてはこんな感じです。
水墨画のこの作品は、日本画家の方が描かれたもの。墨の濃淡や滲み、タッチが心地よく気持ちを落ち着かせてくれます。いつかは自宅に飾りたい一枚です。今回はこういう雰囲気で作りたいと思い、器にもこだわって岩を選びました。
黒松の素材を植え替える
盆栽にとって何に植えるかはとても重要です。高級な盆栽になると、樹の格に合った器の格も求められるそうです。今回選んだ器は2つ。陶器の鉢と岩です。
まず盆栽鉢に、曲をつける前の真っ直ぐな黒松を植え替えます。チャレンジした時期が10月で植え替え適期だったため、根を整理して剪定も行いました。根をしっかり活性化させて早く成長させたいです。時期によっては根を切ると木が弱ることもあるので、不安な場合は切らずにそのまま植え替える方が無難です。
盆栽を2年やっていると植え替えも慣れたものです。ただ、根を剪定するときはやはり緊張します。ひとまず鉢に植え替えて固定し、この状態で。針金で曲をつけたら化粧をして仕上げます。
もう一つは岩への植え込み。鉢と違って普通の土では流れてしまい固定できません。そこで登場するのがケト土!苔玉の中身にも使われる粘土状の土で、こうした特殊な器への貼り付けに適しています。
試行錯誤しながら、こんな感じで岩山の中腹に植え込みました。
取ってつけた感は否めませんが、曲付けの後に苔で仕上げて完成させます。
針金を巻きつける
針金かけは実は初めてです。育てている盆栽にも針金をかけたいと思いながら、枝が折れたらどうしようとやり方が分からず二の足を踏んでいました。
なんと練習方法があったんですね。まず割り箸でやってみろと。針金をらせん状にしながら棒に沿わせていくイメージで、45度で巻いていくとテキストに書かれています。
できました。こんな感じでよかったのかな?
棒を引き抜いてスッと取れたらOKとのこと。スッと……ん?スッ……抜けません。きつく縛りすぎたようです。
棒をテコにして針金を巻いてはいけないようです。針金自体を曲げて、棒に触れるか触れないかのところで沿わせていくのだとか。慣れが必要ですね。何度か試してなんとかできるようになりました。棒はスッと取れるようになりましたが、針金が均一に巻かれておらずいびつな螺旋になっているのが分かります。
これがしっかりできないと枝がうまく曲がらないとのこと。盆栽の道は一日にして成らず。練習を続けます。
それでは本番に挑戦します。
なんとか巻けました。岩の方は土で樹を接着しているだけなので針金を巻くのがとてもやりにくかったです。先に針金をかけて曲げてから貼り付ければよかったと思いました。
教室の講師に聞いたところ、どちらが先でもOKとのこと。ただ、針金かけと根を切るような植え替えはどちらも樹に負担がかかるため、同時に行わず、樹の状態を見ながら別々の日に作業した方がよいかもとのことでした。
先に聞いておけばよかった……。こうして失敗を繰り返して成長するのだと自分に言い聞かせて先に進みます。黒松の若木の生命力に期待します。
こちらはうまくできたような気がします。
曲がりをつけて化粧をする
それでは幹を曲げてみます。黒松の若木は幹がしなやかで丈夫なので思い切って曲げても大丈夫と聞いて安心。初めてなのでおそるおそるですが曲げてみました。
うまくいったように見えます。イメージ通りの作品ができました。苔と化粧砂で仕上げて完成したのがこちらです。
感想
針金かけ初めてのチャレンジでしたが、思ったより簡単で楽しいものでした。盆栽がこうやって作られているのかと知識も得られ、盆栽職人への尊敬の念が深まります。より深く盆栽を知ることで、展示会での鑑賞もまた違った見方ができるでしょう。これからも盆栽の楽しみが広がることにワクワクしています。
今回は枝のないストレートな黒松の苗木だったので、針金かけの基本を学べました。次は少し大きめの樹で複数の枝や幹に針金をかけてみたいです。
<盆栽キット商品>
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■盆栽を作るキット 初級編 黒松の針金かけ はこちらから→→








