大型盆栽の名門 北山養樹園
- 山採りの樹齢100年以上クラスが数百本。鬼無駅すぐの立地で、産地を訪れる方がまず足を運ぶ老舗の盆栽園です。
- Wick Canvas 編集部
- 更新日:2022/8/23
- 投稿日:2022/8/23
- 盆栽園
- 園主・隆司
- 高松盆栽
鬼無駅の北東に位置する北山養樹園には、約60年前に瀬戸内の島々から「山採り」した樹齢100年以上と推定される黒松盆栽が400〜500本あります。中型〜大型の盆栽を得意としています。
自然が樹形を育んだ山採り盆栽は、かけがえのない逸品
鬼無駅の北東に位置する北山養樹園には、約60年前に瀬戸内の島々から「山採り」した樹齢100年以上と推定される黒松盆栽が400〜500本あります。
「山採り」とは、山野に自生する自然木を鉢に根付けすることで、畑で育てる盆栽とはひと味違う貴重な存在です。当時、瀬戸内の島々では風呂の焚き付け用に黒松が育てられていましたが、強い海風にさらされた島の松にはほどよいくねりが生まれ、自然が思いがけない樹形を育んでいたのです。
「2代目が島から採取し、3代目が日々手をかけてさらに形作ってきました。価値あるものを自分の代でダメにするわけにはいきません。優れた盆栽の才能をしっかり伸ばしていくのが私の使命です」と4代目の園主・隆司は語ります。3代目の背中を見るうち、自然と跡継ぎを志していたそうです。
盆栽職人の仕事の8割は水やりです。葉や幹に健康な勢いがあるか、土が乾いていないかなど、1本1本と対話しながら毎日水を与えます。植物としての健康を保った上で、剪定や植え替えを行えるのです。北山養樹園には2,200本の鉢植えのほか、1,500本の地植えと2,000本の苗があり、これらすべてを3代目と隆司が管理しています。
ただただ松が好き。でも、好き過ぎてもいけない。
盆栽は生きている芸術品。経年変化するため、手をかけるたびに芸術としての価値がさらに高まる可能性を秘めています。他の芸術にはないその面白さが、隆司を盆栽の世界へ引きつけます。
「ただただ松が好き。遺伝子が盆栽に向かっていたのかなあ」と照れながら、「でも好き過ぎもダメなんですよ」とも語ります。熱烈な愛好家ほど心酔してしまうと売りたくなくなったり、値付けが高くなりすぎたりと弊害も出ます。盆栽との適切な距離感を大切にしているそうです。
隆司の言葉はすべて我が子への接し方のようで、盆栽への深い愛情がひしひしと伝わってきます。
新世代の継承者として、時代に即した発展を目指す
隆司はオンライン動画で初心者向けに盆栽の育て方を教える「4代目の盆栽枯らさない塾」を配信しています。SNSでも盆栽の楽しみ方を発信しており、特に海外の愛好家からの反応が大きいそうです。園への見学者にも外国人が増えており、輸出規制の難しさはあれど、海外での盆栽の可能性を強く感じています。
「国内ではこれまで、展覧会で愛好家が自分の盆栽の芸術性を競い合う文化がありました。これからはウェブ活用の時代。オンライン上で愛好家が互いに刺激し合えるような面白い取り組みができないかと考えています」。
盆栽の命と職人の技を守り未来へ伝えながら、新しい価値を生み出す。隆司の盆栽人生はとても幸せそうです。









