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盆栽にはどんな種類があるの?知っておきたい分類と特徴について

大きさや樹種、楽しみ方などで細かく分類される盆栽。それぞれについて詳しく解説します。
Wick Canvas 編集部
  • 更新日:2022/8/25
  • 投稿日:2022/8/25
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盆栽にはどんな種類があるの?知っておきたい分類と特徴について 盆栽に興味を持ち始めると、「どんな種類があるのだろう」「大きさはどれくらいなのだろう」「四季を感じられる盆栽がほしい」と思う方も多いでしょう。盆栽は大きさによる分類と樹種による分類があります。種類を知ることで盆栽への理解が深まり、向き合い方もより充実したものになるでしょう。

目次

  • 盆栽の種類
  • 盆栽に使われる樹
  • 盆栽の樹種
    松柏類
    雑木(葉物)類
    花物類
    実物類
    草物類
  • その他の盆栽

盆栽の種類

前述のとおり、盆栽は大きさによる分類と樹種による分類があります。

大きさ(樹高)で分類すると、大別して「大品(普通)盆栽」「中品盆栽」「小品盆栽」の3つとなります。中品盆栽の中でも小品寄りのものを「貴風盆栽」と呼び、小品盆栽はさらに「ミニ盆栽」「プチ盆栽」「豆盆栽」などに細分化されています。

分類名 小分類 樹高
大品(普通)盆栽 50cm以上
中品盆栽 20cm〜50cm
貴風(きふう)盆栽 20cm〜35cm前後
小品盆栽 20cm以下
ミニ盆栽 10cm以下
プチ盆栽 5cm以下
豆盆栽 3〜4cm以下














ただし、大きさによる分類は定義が明確でない部分もあり、樹形やボリュームによって変わったり、人によって異なることもあります。

※大品盆栽が40cm以上・45cm以上・60cm以上と定義される場合もあります。

盆栽のメンテナンス、すなわち剪定・芽摘み・針金かけなどは樹の健康を保ち、大きさを抑制するために行われ、大きくても100〜120cm未満に保たれています。

一概には言えませんが、同じ樹種であれば大きいものほど樹齢が高いことが多く、同じ作業でも労力がかかります。樹高20cm以上の樹形のよい盆栽に仕立てるには、ある程度の年月が必要です。盆栽づくりと鑑賞の醍醐味を存分に味わえるのも、大きな盆栽ならではかもしれません。

ただし、大きな盆栽は高額なものが多く、維持も大変になります。盆栽を始めようという方や始めたばかりの方には、小さいものの方が手入れしやすくおすすめです。

小品盆栽やミニ盆栽は、少量の用土と肥料、手のひらに収まる省スペースで維持・管理が可能です。樹形を整え直す際も、小さな盆栽は仕上がりが早く扱いやすい点が魅力です。大きな盆栽と比べ、コストを抑えられるのも利点です。

とはいえ、小さな盆栽の管理が簡単かというと、そうとも言えません。水切れが起こりやすく、限られた肥料と用土で樹の健康を保ちながら花や実をつけさせるには、相応の技術と経験が求められます。

盆栽に何十年も費やすのは難しいとお感じの方でも、ミニ盆栽なら通常3〜4年で鑑賞に値する姿になります。購入した年や翌年から花や実を楽しめる品種もあります。

素材となる樹も手頃な価格で、現代の住環境に合わせた省スペースで育成・鑑賞できます。盆栽に少しでも興味を持たれた方は、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。様々な樹種を楽しみながら、小さくとも四季折々の日本の風情を存分に感じられるはずです。

ご自身の好みやスペース、時間などを考慮しながら、ライフスタイルに合ったサイズの盆栽を選ぶことが最善と言えるでしょう。
数十年、あるいは数百年の手仕事が積み重なった風格ある盆栽を、専門店や展示会などで鑑賞し、審美眼を養うことで、大小を問わず盆栽づくりがより深く楽しめるようになるでしょう。

盆栽に使われる樹

盆栽には実に多様な植物が用いられています。
盆栽は基本的に長い年月をかけて鑑賞することを前提としているため、樹齢が長いことが第一の条件となります。

草物の場合は、長い歳月を要する樹木の盆栽とは異なり、比較的短い期間で趣のある盆栽に仕立てることができます。近年では、草物が脇役として主役の樹を引き立てる役割を担うことが多く、実生・挿木・株分けなどで適宜追加・変更されていきます。

次の条件として、枝の出やすさが挙げられます。樹形を作るうえで枝が出やすい樹種は比較的扱いやすく、樹高や葉を小さくできるものであれば、自然の景観をそのまま縮小したような「縮景」の醍醐味を表現することができます。

実や葉、果実などの珍しさよりも、長期にわたって鑑賞し続けるため、より自然の姿に近いものが盆栽としてふさわしいと言えます。

こうした特性を持つ植物は、身近なところに多く存在します。庭木のほとんどは盆栽素材になり得ます。
自然界の植物には、実に様々なバリエーションがあります。その土地の風土に適した植物もまた、盆栽に向いていると言えるでしょう。

盆栽の樹種

盆栽に使う樹種に絶対的な決まりはありませんが、代表的な分類として「松柏類」「雑木(葉物)類」「花物類」「実物類」「草物類」の5種類があります。
盆栽に用いられる樹には国内産のものも多くありますが、海外産の樹も数多く流通しており、中国や朝鮮半島など東アジア原産のものも広く親しまれています。

近年は様々な外国産の樹木が国内に入ってきており、日本の気候での栽培に適したものも少なくありません。
それぞれの樹種がどのようなルーツを持ち、どのような背景で仕立てられてきたかを知ることで、盆栽の楽しみ方はさらに深まっていきます。

海外での盆栽人気が高まる中、各国の文化を映した独自の盆栽も生まれています。ハワイや東南アジアではブーゲンビリアやハイビスカスなどの熱帯樹が盆栽として仕立てられ、サボテンやアロエなどの多肉植物を用いた「多肉盆栽」も注目されています。
盆栽は古今東西の多様な樹種・植物を取り込みながら、その裾野を着実に広げています。

それでは、盆栽の主な5種類の樹種について順に見ていきましょう。


松柏類
気品と風格を兼ね備えた盆栽の主流樹種

松・杉・ヒノキ・シンパク・トショウ・イチイなどを含む針葉樹類の総称です。日本各地に広く植えられ、日本の風景に欠かせない存在であり、盆栽の中でも特に知名度の高い種類です。寿命が長く風雪にも強く、四季を通じて緑を保つことから、不老長寿の象徴とされてきました。
丈夫で初心者にも扱いやすく、常緑樹のため一年を通じて緑を楽しめます。

樹種一覧
赤松 イチイ(一位) エゾマツ(蝦夷松) カラマツ(唐松・落葉松)
黒松 コトブキマツ(寿松) コメツガスギ 五葉松
シンパク(真柏) スイレンボク(睡蓮木) トショウ(杜松) トド松
ニシキマツ(錦松) ヒノキ(檜)

雑木(葉物)類
季節の移ろいをとりわけ楽しめる樹種

ケヤキ・モミジ・カエデ・ブナなど、松柏を除いた落葉性の木本植物を指します。種類が豊富で、その多くは日本・中国を原産としています。

針葉樹と異なり一年中緑を保つわけではありませんが、春の新芽、夏の深緑、秋の紅葉、冬の枝姿と、四季折々の表情を楽しめます。樹勢が強く育てやすいものが多い一方、枝数を増やしながら樹形を整える管理が求められます。


樹種一覧

イソザンショウ(磯山椒) イチョウ(銀杏) エノキ(榎) カエデ(楓)
ガジュマル ギョリュウ クワ(桑) ケヤキ(欅)
コクサギ サツキ(皐月) シマトネリコ シラキ
セッカヒノキ(石化ヒノキ) ソロ チリメンカズラ トウカエデ(唐楓)
ナギ(梛) ナンジャモンジャ ニレケヤキ ネコヤナギ(川柳)
ハゼノキ(櫨の木) ハマボウ ハルニレ ヒメシャラ
ブナ マルバノキ(丸葉の木) モミジ(紅葉) リュウジンヅタ(竜神蔦)


花物類
樹姿や景観を楽しむ盆栽の中でも、花を観賞することに重きを置いた樹種

桜・梅・ボケ・サツキ・フジなどが代表的です。花に重点が置かれることが多いですが、木振りや枝振りも大切な要素です。

花物類では花芽をつけるための適切な処置が必要です。花芽の分化時期や場所を把握し、生育を適切に抑えることが求められます。鉢や用土の選択も重要で、開花期が最高の鑑賞時期となります。
育てやすく、特別な管理手段を必要としないことも大切なポイントです。

樹種一覧

アジサイ(紫陽花) アセビ 梅 オウバイ
キキョウ(桔梗) ギボウシ(擬宝珠) ギンバイカ(銀梅花) キンロバイ(金露梅)
クチナシ クリスマスローズ コウチョウギ(香丁木) 桜
サルスベリ チョウジュバイ(長寿梅) ツクモドウダンツツジ ツツジ
ツバキ トサミズキ ネムノキ ノイバラ
ハイビスカス ハギ バラ ヒメミズキ(姫水木)
ブーゲンビリア 藤 コウシタン(紅紫檀) ボケ
マンサク モクレン レンギョウ


実物類
果実の鑑賞を主体とした樹種

ヒメリンゴ・カリン・ザクロなど、また花の目立たないマユミ・ウメモドキ、形の個性的なアケビ・ブッシュカン・ビナンカズラなどが代表的です。

秋に美しい実をつけるのが特徴で、花よりも実の鑑賞価値が高いものが分類されます。花物類と同様に、実だけでなく木振りなど盆栽としての風格も求められ、果実の大きさと樹との調和が重要です。結実後の管理が特に大切となります。

樹種一覧

ザクロ サネカズラ サンザシ(山査子) シンジュノキ(真珠の木)
ズミ タチバナモドキ ツルウメモドキ ナツボウズ
ナナカマド ナンテン(南天) ニシキギ ピラカンサ
ビナンカズラ(美男カズラ) マユミ マンリョウ(万両) ミヤマカイドウ
ムラサキシキブ(紫式部) メギ ヤブコウジ ユスラウメ
リンゴ ロウヤガキ(老爺柿)


草物類
山野に自生する「山草」や「野草」を用いた樹種

草物類は単独で飾るよりも、竹や笹などを添え物として組み合わせたり、数種の野草・山草を寄せ植えにして花畑や野原の景色を再現したりすることが多いです。
初心者でも比較的短期間で育てられます。花が終わると枯れてしまったり、思いがけない植物が鉢から顔を出したりと、予想外の楽しみが多いのも草物ならではの魅力です。

樹種一覧

イワヒバ(岩檜葉) ショウジョウバカマ(猩々袴) チゴザサ(稚児笹) トキワシノブ
ナゴラン(蘭) ヒナソウ(雛草) ヒメタケ(姫竹) ベニチガヤ
フウキラン(富貴蘭) フウラン(風蘭)

※植物ごとの盆栽の育て方・管理方法については樹種別育て方をご覧ください。


その他の盆栽
単独の盆栽とは異なり、同種または異なる植物を一鉢にまとめる「寄せ植え盆栽」、華やかで写実的な景観を追求する「彩花盆栽」、水やり不要の「ドライ盆栽」など、多彩なスタイルがあります。

寄せ植え盆栽 
複数の植物を一つの鉢にまとめることで、森や林のような樹木の集まりの美しさを表現する盆栽です。単独では形の整わない樹でも、バランスよく組み合わせることで、まとまりのある美しい景色を生み出せます。
鉢の中の木や草の配置、様々な角度から見たときのバランス、植物が安定して立つよう細心の注意を払うことが必要です。初心者の方にはやや難しく感じられるかもしれません。

彩花盆栽
伝統的な盆栽に対し、より写実的で華やかな風景描写をモットーとする盆栽です。木に草花を添えて小さな庭を作るように仕立て、木と草花の配し方や鉢との調和に重点を置きます。季節の草花を取り入れた彩り豊かなスタイルで、気軽に盆栽を始めたい方や女性にも親しみやすい盆栽です。

ドライ盆栽
通常の盆栽は水やり・剪定・植替え・施肥など多くの管理が必要ですが、ドライ盆栽は「乾燥した状態」のためそうしたメンテナンスが不要です。生きた盆栽を厳選し、土を落として乾燥させ、葉を取り除き、不要な枝や根を整えて完成させます。盆栽が持つ自然の曲線や造形美を鑑賞でき、「枯れ盆栽」とも呼ばれています。

マン盆栽
草木の上や周囲にフィギュアなどを配置し、ジオラマのようなドラマ性を演出するのが特徴です。難しい流儀や決まりごとはなく、作り手の自然観や社会への視点、ユーモアのセンスが鉢の中に表現されます。テーマ選びと描写のセンスが作品の鍵となります。剪定や水やりなどの管理は通常の盆栽と同様に必要です。

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